アトピーのかゆみを抑える食べ物なんてあるの?
アトピー性皮膚炎は、しつこいかゆみや皮膚の炎症でつらい病気です。アトピーの治療も様々な観点から研究されています。
現代人の食生活の変化や食生活の乱れに着目し、また食べ物の栄養などを見直すなかで、アトピー性皮膚炎の症状やかゆみに効果のあることがわかっている食べ物が多数存在します。
身体を作る栄養を取り入れるもとになっている「食」を見直すことによって、アトピー性皮膚炎の症状やかゆみを抑えることができるのではないか、と提唱する専門家も多数存在します。
では食事を変えれば痒みを抑えることができる、とはどういうことでしょうか。
食べ物の中には様々な栄養があります。その中にはアトピー性皮膚炎や花粉症といったアレルギー疾患の症状を改善するのに役立つ成分や、バリア機能が弱まった肌を元気にする成分を持つ食べ物があります。
それらの食べ物を食べることで症状が改善され、痒みが治まることがあります。
なぜアトピーの症状やかゆみを抑える効果があるのかというと、それは、これらの食べ物は免疫機能を強化したりアレルギー反応物質の活性化を抑えたり、丈夫で健康な皮膚をつくる成分などが含まれているからです。
免疫機能を強化したりアレルギー反応物質の活性化を抑えたり、皮膚が丈夫で健康になると、炎症が治まりかゆみがましになったり、なくなったりします。痒みがましになるため、炎症が鎮まってくる、ということもあります。
また不規則に乱れがちな生活を規則正しくなるよう心がければ、それが健康につながることはだれでも認めるところだと思います。
その中でも特に、アトピー性皮膚炎の症状に効果があるといわれている食べ物や、なぜアトピー性皮膚炎のかゆみを抑えることができるのかという理由について調べた結果をまとめました。
アトピーのかゆみを抑える効果がある食べ物オススメ7選
アトピーのかゆみを抑える効果がある食べ物オススメ7選として、おすすめの食べ物を7つ紹介します。
- レンコン
- キャベツ、ケール
- 柑橘類(くだもの)
- 味噌
- 漬物、納豆
- 昆布
- サンマ、イワシなど青魚
これらを、アトピーのかゆみを抑える効果がある食べ物として、紹介する理由を説明します。
ご紹介した食べ物は、
- 免疫機能を強化したり改善する効果が期待される成分や要素が入っているもの
アトピー性皮膚炎は、免疫反応が過剰になり、あまり害のない物質に対して反応することにより、痒みや湿疹といったアレルギー反応が起きる疾患です。アトピー性皮膚炎の原因は複合的で、要因・要素に特定できないことは間違いないのですが、その中でも、身体の免疫反応が、何らかの原因で正常に働かず、過剰反応を起こすことで炎症(アレルギー反応)を起こすことが要因の一つであることがわかっています。
この免疫機能を正常になるような働きをする成分や要素の入った食品を食事に取り入れることにより、アトピーのかゆみを抑えることができる場合があります。
- かゆみの原因となるアレルギー反応を抑えるはたらきのある成分や要素が入っているもの
アトピー性皮膚炎は、
1)もともと遺伝的要因などでアレルギー反応や症状が出やすい体質の人
2)皮膚のバリア機能が何らかの原因で弱まっている人に起こります。1)の「もともと遺伝的要因などでアレルギー反応や症状が出やすい体質」というのは、アレルギー体質で、「IgE抗体」という、アレルギーと関係の深い免疫物質が体内で作られやすい体質をのことで、これを「アトピー素因」と言ったりもします。
2)の「皮膚のバリア機能が何らかの原因で弱まっている」というのは、皮膚の表面の細胞や脂質が弱まり、外部からの異物への抵抗が弱くなっている状態のことです。
「アレルギー反応や症状が出やすい体質」だから、それが原因で「皮膚のバリア機能が弱まっている」状態になる、ということもあります。
本記事で紹介する食品には痒みの原因といわれている物質「ヒスタミン」やIgE抗体が、体内作られるのを抑制する働きがある成分や要素が入っています。
- 皮膚を丈夫にするはたらきがある成分や要素が入っているもの
栄養素の中でもビタミンBやビタミンCは、皮膚や細胞を作るうえで必要不可欠な栄養素であり、これらを補給するために健康食品やサプリメントがたくさん開発されています。本来これらの栄養素は広く食品の中に含まれているものですが、不規則な食生活では不足しがちなものでもあります。そもそもビタミンとは身体の代謝を助ける働きをする成分で、ビタミンが不足すると健康に様々な支障が出ることがあります。
またビタミンCは他にもヒスタミンを抑制する効果などもあります。
栄養があってヘルシーな食品を規則正しく摂ることを心がけましょう。
の中で、効果が認められているもののうち、おすすめのものを7つ取り上げてみました。
アトピーのかゆみを抑える効果がある食べ物1.レンコン
簡単にまとめると、レンコンには、
- アレルギー反応を抑制する・免疫力を上げる
- のどの痛みを和らげる
- ストレスへの抵抗力
- 肌荒れ予防
- 便秘を改善
- 生活習慣病の予防
- 脂肪肝の改善
といった効果があるようです。
レンコンには、胃腸の調子を整え、肌を丈夫にし、アレルギー反応が過剰になるのを抑える働きがあります。
レンコンにはアレルギー症状の原因となるIgE抗体が増えるのを抑える働きがあることがわかりました。
(埼玉医科大学短期大学 名誉教授 和合 治久(わごう はるひさ)名誉教授の研究による) 埼玉医科大学短期大学 名誉教授 和合 治久
レンコンにはIgE抗体の増加を抑える働きがあります。
それから、レンコンを切るとネバネバと糸を引きますが、この成分は「ムチン」といって、粘膜を保護し、アレルギー物質の侵入を防ぐ効果があることも分かっています。 ⇒(有限会社学術秘書 本店営業部 池田剛士 様のご指摘により削除いたします。)
また、痒みの原因にはヒスタミンという物質が多く関わっているといわれていますが、レンコンには、このヒスタミンの放出を抑えるはたらきもあります。
皮膚に何らかの刺激が加わると、肥満細胞からヒスタミンが出ます。肥満細胞とは皮膚や粘膜など全身に広がる細胞です。
レンコンにはアレルギー反応の原因となるIgE抗体やヒスタミンを抑え、アレルギー反応を抑制する効果があります。
他に、レンコンには免疫力を上げる成分として注目されている、LPSが多く含まれているといわれています。
LPSはリポポリサッカライド(=Lipopolysaccharide:英)、リポ多糖と呼ばれる成分で、土壌や野菜、また腸内にもある物質です。
食生活や生活環境の変化、とりわけ衛生環境が良くなったことにより、このLPSが口から体内に摂取される量が減少したことが、近年の先進国のアレルギー疾患増加の原因であるといわれています。
(自然免疫応用技研株式会社より)
このLPSは免疫ビタミンとも呼ばれ、様々な病気やアレルギーを予防改善する成分として注目されています。
そのほかレンコンはビタミンCや食物繊維、ポリフェノールなどの栄養も豊富です。
ビタミンCには皮膚や粘膜の健康を維持したり丈夫にするのに欠かせない働きがあります。また痒みの原因となるヒスタミンを抑える働きもあります。
レンコンにはレモンと同じくらいのビタミンCがあります。
ビタミンCにはシミやそばかすを防ぐ肌荒れ予防効果もありますが、これも皮膚や粘膜の健康を維持するのに欠かせない働きがあるためです。
ビタミンCはコラーゲン(たんぱく質)を作るのに欠かせない成分ですが、これが皮膚や粘膜の健康を維持するのに欠かせない働きのことです。
ビタミンCは他に疲労回復やストレス軽減の効果もあります。
食物繊維は腸内の有害物質を減らす働きがあり、便秘予防に効果があることは有名です。「腸内の有害物質を減らす」というのも「便秘予防に効果がある」というのも、アトピーの症状改善と大きく関係します。腸内の有害物質が減少し便通が良くなると、有害物質の皮膚への干渉が減少します。
またレンコンにはポリフェノールの一種であるタンニンが含まれています。タンニンには抗炎作用があり、のどの痛みを和らげたり、風邪の予防効果だけでなく、花粉症に効果があるとしてTVなどで話題になりました。
タンニンに含まれる抗炎作用の他、いろんな成分の効果が相互に作用して、レンコンは昔から風邪の予防や解熱、血止め、便秘解消etc、といった効果があるといわれていました。
近年では研究の結果、アレルギー反応を抑えたり免疫力を上げる作用があることがわかっています。
アレルギーの反応を抑制したり、粘膜を保護したり、免疫機能を高めたり腸内の環境を整えることでアトピーのかゆみや炎症を抑える効果も期待できます。
アトピーのかゆみを抑える効果がある食べ物2.キャベツ・ケール
キャベツはとても栄養のある食べ物です。キャベツに含まれる栄養素はとても豊富です。なかでもビタミンCはとても豊富なようです。
皮膚の健康に効果のあるビタミンCが豊富なだけでも十分に特筆すべきことですが、キャベツをおすすめする理由はそれだけではありません。
私たちの日常の中でもキャベツは親しみのある野菜ですが、実はこのキャベツは「食べる薬」という別名もあります。
キャベツの原種であるケールは青汁の原料としても有名ですが、これらキャベツやケールは「アトピーのかゆみを抑える効果がある食べ物」としてみたときも、おすすめの野菜です。
「アトピーのかゆみを抑える効果がある食べ物」としてみたキャベツやケールの利点をご紹介いたします。
ビタミンU(キャベジン)
「キャベジン」という胃腸薬がありますが、これはキャベツの成分から発見されたビタミンUの別名です。
ビタミンUは胃腸の粘膜を強くしたり修復する働きがあります。また胃酸を過剰に分泌されるのを抑える働きもあります。そのためアレルギー物質の侵入を防いだり、アレルギー物質を排出する力を高めてくれます。
キャベツを食べることで便秘や下痢が治ることともあるようです。(キャベツで世界中の人を健康に!)
ビタミンK
ビタミンKは、出血の時に血を止めたり固めたりするのを活性化させる作用があります。患部の傷が早く治れば、皮膚のバリア機能も早く回復し、痒みの症状も治まります。
なおビタミンKは油溶性ビタミンのひとつで、過剰に摂取すると人体に影響があるといわれていますが、通常の食生活でのビタミン過剰症の症例は報告されていません。
ビタミンには水溶性と油溶性(脂溶性)があり、水溶性ビタミンは過剰に摂取しても尿で排出され問題はありませんが、油溶性ビタミンは吸収されやすく摂りすぎは過剰症を起こす、といわれています。
ビタミンKでは下痢・悪心・嘔吐の症状が報告されています。そのためビタミン剤を服用するときは摂取量に気をつけねばなりません。
ビタミンC
ビタミンCには皮膚や粘膜の健康を維持するのに欠かせない働きがあります。そのためシミやそばかすを防ぐ肌荒れ予防効果もあります。
キャベツにはビタミンCがたくさん含まれています。ビタミンCの成分はコラーゲン(たんぱく質)を作るのに欠かせません。
またビタミンCは病気やその他のストレスへの抵抗力を強化したり、身体に害のある活性酸素から身を守ってくれます。
ここでいうストレスとは精神・物質面両方のもので、ストレスの多い人はビタミンCをきちんと摂った方がいいといわれています。
食物繊維
キャベツは食物繊維も豊富ですが、食物繊維は腸内の悪玉菌や有害物質を減らす力があります。
腸内環境の変化で免疫機能も向上します。つまり、体質改善が期待できます。痒みや炎症が改善し、便通もよくなります。
ただ一つキャベツにも欠点があるようで、それはたくさん食べるとおならが良く出るようになる、ということです。
これは腸の活動が活発になっている証拠であり、いいことなのかもしれませんが。
アトピー体質にケール青汁が効果あり?
ケールはビタミンCやビタミンAが豊富で、カリウム、カルシウムなどのミネラル、食物繊維、葉酸、タンパク質なども豊富に含まれています。
また、抗酸化物質のルテインはブルーベリーにも含まれる成分で、目の疲れを予防します。
ファンケルの研究結果によると、ケール青汁を飲んでいる人と飲んでいない人と比べると、ケール青汁を飲んでいる人の方が血中好酸球数やIgE抗体量が減少している、また頬の角層水分量もケール青汁を飲んでいる人の方が高い、という結果が出ました。
血中好酸球数やIgE抗体量というのは、アレルギーに関わる細胞や抗体で、免疫機能が過剰に反応することでアレルギー反応が起こることがわかっています。
つまり、血中好酸球数やIgE抗体量が減少しているということは、免疫機能が正常に近づいてアレルギー反応が起こらなくなっている、ということなのです。
またキューサイの研究結果によると、ケール青汁の飲用は、目や鼻のアレルギー症状を改善することが分かったようです。
アトピーのかゆみを抑える効果がある食べ物3.柑橘類(くだもの)
柑橘類(くだもの)にはビタミンCが多く含まれています。
ビタミンCにはシミそばかすを防ぐ、といった効果だけでなく、肌を強くしたり粘膜を丈夫にする作用があります。また痒みの原因となるヒスタミンの放出を抑えます。
ビタミンCが不足すると寒さや細菌への抵抗力が弱まり風邪をひきやすくなったり、血管や関節が弱くなって歯ぐきから出血したりすることもあるようです。
ビタミンCは水に溶けやすく熱に弱いため、新鮮で生の状態で食べるのがいいです。そのため柑橘類はビタミンCを摂取するのに最適といえるでしょう。
注意すべきこととしては、くだものがビタミンCが豊富だからと言って食べ過ぎないほうが良い、ということです。
果物には糖質がたくさん含まれています。糖質の摂りすぎに注意しましょう。
アトピーのかゆみを抑える効果がある食べ物4.味噌
味噌には酵素入りのものとそうでないものがあります。
まず酵素とは、食べ物の消化を助けたり、新陳代謝を高め免疫力を高めたり、血液を循環させ消化を促す作用があります。
酵素は熱に弱く、熱処理された食べ物には入っていません。
つまり加熱処理をされた味噌や「だし入り味噌」には酵素は入っていません。
アルコールや酒精の表示がなく低温冷蔵(チルド)販売されているもの、「生みそ」の表示があるものなどが酵素入りの味噌の目安になるそうです。
また、味噌には腸内環境を整える乳酸菌や、腸内の乳酸菌やビフィズス菌を活性化させるイソマルトオリゴ糖、大豆オリゴ糖が入っています。腸内環境が改善されると、痒みの原因となる免疫細胞の過剰反応が抑制され、痒みが治まります。
アトピーのかゆみを抑える効果がある食べ物5.漬物・納豆
漬物には乳酸菌が含まれてます。漬物に含まれる乳酸菌は植物性乳酸菌で、味噌や醤油といった日本人が古くから親しんできた食べ物の中に入っています。
乳酸菌には動物性乳酸菌と植物性乳酸菌があり、漬物や味噌や醤油に入っている乳酸菌は植物性乳酸菌です。
植物性乳酸菌は栄養の少ない厳しい環境で育つため、酸や塩分に強く、人間の体内に入っても胃酸で死なずに腸まで生きたままたどり着きます。
納豆も日本人が古くから親しんできた発酵食品ですが、納豆に含まれる納豆菌は、腸内で免疫細胞を活性化させるため、免疫機能が向上します。
またマウス実験では、納豆菌が腸内の乳酸菌を増やす役割をすることがわかっています。
納豆に解毒作用や整腸作用があることはすでに江戸時代の初期の文献にも記述があり、その時代から納豆の及ぼす作用については知られていたようです。(おかめ「納豆サイエンスラボ」)
ただ注意点として、納豆にはプリン体が沢山含まれていて、このプリン体が尿酸値を上げる原因となり、摂りすぎると通風のリスクがあるため、適量としては1日1パックぐらいが目安です。
漬物や納豆に期待できる作用は腸の環境を整え、免疫機能を改善することです。また健康に欠かせない栄養も豊富です。
アトピーのかゆみを抑える効果がある食べ物6.昆布
昆布は食物繊維が豊富で栄養価も高い食品です。
食物繊維が豊富なので便秘解消にもいいだけでなく、カロリー自体は少ないのでダイエット食品としても優れています。
昆布の成分であるラミナリンが腸で乳酸菌を増やし、大腸炎や食物アレルギーの原因の一つとなる炎症を抑えることが2015年に英文学術誌に論文が掲載されいるそうです。(日経BPヒット総合研究所 西沢邦浩)
昆布は古くから日本人になじみある食品ですが、昆布が健康に及ぼす機能や研究はまだそれほど進んでいないのが現状のようです。
しかし近年昆布には抗アレルギー作用や増えた内臓脂肪を減らす抗肥満作用などがあることが明らかになりつつあります。
とくに昆布のアルギン酸、フコキサンチン、ラミナリンといった成分に抗アレルギー作用、抗肥満作用があるのではないか、といわれているようです。
「がごめ昆布」は昆布の中でもアレルギーの症状の改善に作用するといわれているフコイダンの量が、真昆布の3倍あります。
フコイダンは脂質のためお湯には溶けません。そのため抗アレルギーの成分を取るためには、直接昆布を食べる必要があります。
アトピーのかゆみを抑える効果がある食べ物7.サンマ、イワシ、など
サンマやイワシなど青魚には、EPA、DHAが多く含まれています。
魚に含まれる脂質は「不飽和脂肪酸」といって、肉の脂肪酸(飽和脂肪酸)と違い分解されやすく、消化がされやすいです。
その不飽和脂肪酸に分類される成分のなかで、さらに「オメガ3脂肪酸」に分類されるEPAやDHAは、アレルギーの炎症を抑える働きがあります。
またアトピーや喘息を改善するためのビタミンやミネラル分も豊富に入っています。
魚を食べるときに注意すべきことは、「鮮度がいいものを食べる」「魚アレルギーに注意する」ことです。魚は古くなるとかゆみの元となるヒスタミンの量が増えるため気を付けなければなりません。
魚に限らずですが、特定の食物アレルギーがある場合は、食べるのは控えた方がいいのは言うまでもありません。
アトピーのかゆみを抑える効果がある飲み物について
アトピーのかゆみを抑える効果がある食べ物について触れてきましたので、ここで少しアトピーのかゆみを抑える効果がある飲み物についても触れておきたいと思います。
緑茶、柿の葉茶
緑茶に含まれるカテキンには抗アレルギー作用があることがわかっています。痒みの元となるヒスタミンの放出を抑えてくれる作用です。
ただ緑茶にはカフェインが含まれるので飲みすぎには注意です。日常な飲料として、適量をたしなむ程度にしましょう。またカテキンには抗菌作用もあるため、緑茶の成分を使ったクリームや除菌シートなども多数商品化されています。
柿の葉茶にはビタミンCが豊富です。
ビタミンCは熱に弱いといわれていますが、柿の葉茶に含まれるビタミンCは熱に耐性があるそうです。
ビタミンCは食べ物に含まれる他の成分との作用により、その耐性は食品によって違いがあるそうです。
ビタミンCは肌によく、痒みのもととなるヒスタミンの放出を抑えます。
また柿の葉茶はカフェインが入っていないため、胃腸が弱い人でも安心して飲むことができます。
青汁
青汁は日常の健康に欠かせない栄養がたくさん入っていますが、一言で青汁といっても、原料は様々です。
ケール青汁、大麦若葉青汁、緑茶青汁、明日葉青汁、など…
アトピーのかゆみを抑える効果がある食べ物でも触れたケールを原料としたケール青汁は、ビタミンCが豊富で、食物繊維も豊富です。
ファンケルの研究発表によりケール青汁はアレルギー症状に効果があることがわかっています。
またキューサイの研究ではケール青汁の飲用は、目や鼻のアレルギー症状を改善することが分かっています。
ケール以外の青汁にもアトピーやアレルギーに効果は期待できるものもありますが、ここではメーカーの研究などでも効果があることが発表されているケール青汁をおすすめします。
アトピーのかゆみを抑える効果と健康補助食品(サプリメント)
ここまで、アトピーのかゆみを抑える効果のある食べ物や飲み物について調べたことを書いてきました。
食生活の改善が健康につながることは確かなのですが、旬の食材や新鮮な食材が手に入りにくかったり、産地などの関係で限定されていて手に入りにくかったり、食材をそろえることが難しいこともあると思います。
そのためアトピー性皮膚炎や花粉症のようなアレルギー症状の改善効果を狙って、健康食品や健康飲料、それから健康サプリメントが多数市販されています。
商品の内容や効果をよく確認したうえで、そういったものを利用するのも悪いことではありません。
それらの食品やサプリメントは
- 免疫機能を強化したり改善する効果
- かゆみの原因となるアレルギー反応を抑える効果
- 皮膚を丈夫にする効果
を期待して作られたものであり、乳酸菌などを配合して腸内の環境を整える整腸作用で①免疫機能を強化したり改善する効果や②かゆみの原因となるアレルギー反応を抑える効果を狙ったものが多く、その他ビタミンB群やビタミンCを配合して③皮膚を丈夫にする効果なども考えられているものが多いです。
ここまでみてきた食べ物や飲み物の成分に着目し、症状に悩み人のために開発・商品化されているものになります。
アレルナイトプラスは酒粕由来の植物性ラクトバチルス乳酸菌が入っています。
植物性ラクトバチルス乳酸菌が腸内で作用し、免疫機能を改善するため、アトピーのかゆみや花粉症のムズムズの改善が期待できます。
アレルナイトプラスには他の成分も入っています。
アレルナイトプラスに配合されているビオチンを含むビタミンB群は、皮膚や粘膜、肌の健康に必要な栄養素です。炎症で弱った肌に栄養を与えてくれます。
またアレルナイトプラスにはラフマ抽出物、ギャバ、グリシン、クワンソウ、バレリアン、アメリカジンセンといったハーブ成分も配合されていて、炎症を抑えたり睡眠の質を改善することをねらった配合になっています。
アトピー性皮膚炎のかゆみに悩む方にもおすすめのサプリメントです。
アトピーのかゆみを抑えるために良い食べ物
主食を見直そう
アトピー性皮膚炎や花粉症のようなアレルギー疾患だけでなく、生活習慣病やその他の病気の増加には、日本人の食生活の欧米化が進んだことが関係していると多くの専門家は指摘しています。
ご飯やパン、麺類など炭水化物が多く、糖質を多く摂りすぎ、ビタミンやミネラルが不足すると、自律神経やホルモンバランスも悪くなります。
このような栄養バランスの偏りがアトピー性皮膚炎の悪化にも影響を及ぼしていることが考えられます。
また、糖質が過剰になると血液の中のブドウ糖(グルコース)が増え、体内で「糖化」が起き、糖化により発生した活性酸素が細胞を攻撃するため、慢性的な炎症の原因になります。
そのため米や小麦粉が原料である主食を見直し、主食を変えたり、量を調整することが、アトピーのかゆみの改善にもつながります。
玄米・胚芽米・分づき米・雑穀米
アトピー症状改善のために玄米食をすすめる専門家もいますが、玄米食によりアトピーが悪化する人もいるため、アトピー性皮膚炎の症状改善のための玄米食の導入については賛否両論あるようです。
アトピー改善のサポートをしている「アトピーくらぶ れのあ」代表、笛木紀子(ふえきのりこ)さんによると、経験上、玄米食を半年間続けるのがいいそうです。
週のうちの半分は玄米を食べ、残りの半分は胚芽米や分づき米に雑穀米を混ぜて食べるといいそうです。そして半年~一年が経過すると、徐々に玄米を減らしていきます。
玄米とはお米のもみ殻を取り除いた状態のもので、胚芽やぬかが付いた状態のお米です。
食物繊維やビタミン・ミネラルがたくさん入っている一方、消化に時間がかかるため、胃腸が弱い人には注意が必要です。
玄米を食べるときの注意点としては、玄米の食物繊維が硬く胃腸への負担になることがあるため、よく噛んで食べることが大事です。
リーキーガット症候群(LGS)や胃腸が特に弱い方、胃腸に炎症がある方や小さな子供は玄米は消化が悪いためおすすめしません。
そういう方は初めから胚芽米や分づき米に雑穀米を混ぜたものを食べるといいでしょう。
アトピーのかゆみを抑えるために良い食事法のポイント
どのような栄養素も、摂りすぎても不足しても身体に悪い影響を及ぼします。
「かゆみ」というのは身体に異常があることを知らせるサインです。
アトピー性皮膚炎のかゆみは
- アレルギー反応によって免疫機能が異常になっていること
- 皮膚のバリア機能が低下していて皮膚が刺激に弱くなっているため
起こるものといわれています。
アトピーのかゆみを抑えるために良い食事法のポイントは、
- 栄養バランスを考えた
- 規則正しい食事を
- よく噛んで食べること
です。
栄養バランスを考える
栄養の偏った食事が身体に悪い影響があることはアトピーに限らず言えることですが、日々の食事を考えるうえで、健康にいい食事を心がけることはアトピーのかゆみの改善にもつながっていきます。
もちろん食事は栄養を取るだけでなく「食べること」自体が生きる楽しみでもあるため、極端な食事制限や「身体にいい食べ物」にこだわりすぎてストレスになってしまうと本末転倒な気もします。
またそんな風になってしまうと、せっかくの栄養もきちんと体の中でうまく働いてくれなくなるかも知れません。
ここまで見てきたように、アトピーのかゆみに効果があるといわれている食べ物を無理ない範囲で取り入れながら、楽しく食事をすることが大事です。
バランスのいい食事としては、日本人が昔から食べてきた「一汁二菜」「一汁三菜」などが優れています。
日本人が昔から食べてきた、主食・汁物・おかずで構成される食事を「一汁〇菜」といい、おかずの数(菜)で「一汁一菜」「一汁二菜」「一汁三菜」などといいます。
「一汁一菜」はごはん、汁物とおかずが一品で、質素な食べ物の代名詞として使われていた言葉ですが、食生活の西洋化や食べ過ぎや飽食、肥満や生活習慣病といった現代病が話題になっているなかで健康にいいということで見直されています。
「一汁二菜」はおかずが主菜と副菜の二品のものです。懐石料理では、「汁物・向付・煮物」の膳を一汁二菜といいます。「向付」は「むこうづけ」と読み、膳の手前にご飯と汁物を置くのに対し、膳の向こう側に置くためにこう呼ばれます。
向付にはなますや刺身といったおかずが用意されます。
「一汁三菜」は懐石料理では「汁物・向付・煮物・焼物」の膳をいいますが、農林水産省は日本の昔からの「一汁一菜」をアレンジして、主菜一品と副菜二品の一汁三菜を「日本型食生活」としてアピールしています。
農林水産省の提唱する「一汁三菜」は、健康面での利点だけでなく食料自給率や食料安全保障の面からも望ましいものとされています。
また和食は発酵食品が大豆や米を原料とした発酵食品が多く、旬の食材を取り入れるため腸内環境を整えるのにも良く、健康食として優れています。
栄養バランスを考えた食事をすることで免疫機能も改善され、皮膚のバリア機能も正常に近づくことも期待でき、肌の健康の状態も良くなります。
またアトピーやアレルギーの改善だけでなく肥満や生活習慣の予防やダイエットの効果も期待できます。
規則正しい食事
先ほど開設した栄養バランスと重なるところもありますが、不規則になりがちな生活を食事面から見直すことで、生活のリズムも整ってきます。そのことで自律神経の正常化なども期待できます。そうすると免疫機能も向上します。
また「規則正しい」とは栄養バランスを考えることも含まれます。規則正しい食事は、自分の身体のことを考えて、自分の身体を大事にすることにつながります。
自分の身体を大事にしようと思う気持ちが、自分の身体を大事にする行動につながっていきます。
ここでも、無理をしたり極端な行動に出るのではなく、いま自分にできることから少しずつ何かを取り入れていくのがいいのではないかと思います。
よく噛んでたべる
ここまで「アトピーのかゆみを抑える効果がある食べ物や飲み物」ということで食材に注目してきましたが、実は「良く噛んで食べる」といった「食べ方」にも健康と密接な関係があります。
よく噛まないと胃や腸に大きな負担がかかったり、食べ物がきちんと消化されず、胃や腸の粘膜が傷つく原因になります。胃や腸の粘膜が傷つくことでアレルギー物質が体内に入りやすくなったり、免疫機能が正常に作用せず、炎症を起こす原因になります。
胃や腸に負担をかけないためにも、栄養がきちんと消化されるためにも、よく噛んで食べることが大事です。
アトピーのかゆみを抑えるために良くない食べ物
アトピーのかゆみを抑えるために良くない食べ物はコチラです。
- 食品添加物(保存料、着色料、香料)
- 人工甘味料(アスパルテーム、スクラロース)
- 遺伝子組換えの食品
- お酒・タバコ
- トランス脂肪酸(マーガリン・ショートニング・ファットスプレット)
できるだけ避けたほうが良いもの
- サラダ油
- 小麦粉
避けた方がいい理由
これらの食品は、アトピーの炎症を起こしやすい食品です。アトピーのかゆみを抑えるのとは反対の要素がみられるため、摂らないほうがいいです。
食品添加物については日常手に入る食べ物の多くに使用されており、避けるのが難しい状況ではあります。食品添加物が免疫機能を弱らせる作用があるといわれています。
人工甘味料についてはアレルギー反応を起こす症例なども報告されており、注意が必要です。
スクラロースは日本では1999年に食品添加物として指定されていますが、スクラロースの摂取が過敏性腸症候群(IBS)、潰瘍性大腸炎、クローン病につながるという報告があります。
過敏性腸症候群(IBS)は、腸に異常が見つからないにもかかわらず、便秘や下痢、お腹の違和感などを感じる症状です。
便秘や下痢が起こるということは腸が正常に動いていないというサインです。
腸が正常に動かないということは、免疫機能が低下してアレルギー反応、つまり炎症が起きやすくなります。
遺伝子組み換え食品は、厚生労働省の見解では、きちんと検査もしているため、アレルギーを起こすものは市場には出ない、としています。(遺伝子組換え食品の安産性について 厚生労働省医薬食品局食品安全部)
しかし米国では遺伝子組み換え食品が流通したのと同じ時期からガン、白血病、アレルギー、自閉症などの慢性疾患が急増しています。
もちろん遺伝子組み換え食品との因果関係がはっきり証明されているわけではなく、それらの疾患の原因が遺伝子組み換え食品のせいとははっきりとは言えませんが、危険性を指摘する研究は多数発表されています。
お酒も体質によって受けつけない人がいますが、かゆみや蕁麻疹が出る人が飲まないほうがいいのは言うまでもありません。
煙草についてもアレルギーの元となるという研究結果があります。自分に影響がなくても煙草の場合は受動喫煙の弊害なども考えなければなりません。
マーガリンやショートニングなどのトランス脂肪酸は、体内で分解できない構造をもち、蓄積され体内に侵入し、細胞膜を弱くするといわれています。
そのため細菌などに感染しやすく皮膚の炎症を悪化させます。
サラダ油は「リノール酸」の油で、リノール酸の油は体内で「プロスタグランジン」というホルモン物質を作ります。
プロスタグランジンはアトピーやアレルギーの症状を助長する働きをします。
小麦粉にはグルテンという成分が含まれますが、グルテンに過敏に反応し(アレルギー反応)このグルテンが腸内で消化不良を起こし、その際にかゆみやしっしんが出ることがあります。
アトピーのかゆみを抑える食べ物 レシピ編
大人向け1.酢キャベツ
酢キャベツはダイエットメニューとして注目を集めましたが、キャベツの成分やお酢の効果が、アトピーやアレルギー症状にも効果があるといわれています。
10日位で食べごろになります。取り出すときはきれいな箸などを使用しましょう。
残った漬け酢はキャベツをつけるのに再利用するのはやめましょう。
少量ずつ、体調を見ながら試してください。
※レシピには酢で漬ける前に塩を加えてキャベツを揉んだ後、お酢で半日程度漬ける、とするものもあります。
塩を加えたものは酢で漬ける時間が短いです。
- 水分を良く切ったキャベツを千切りにする。水にぬれている場合は水分をふき取り、良く乾かしてください。
- 煮沸消毒した容器、またはジッパー付きの保存袋にキャベツを入れ、キャベツが全部つかるまで酢を注ぐ。
- 空気を抜いてしっかりと密閉し、冷蔵庫で保存する
大人向け2.さんまとごぼうの梅干煮
- さんま 4尾
- ごぼう 1本
- 梅干 大2コ
- しょうが 1/2片
■調味料
- 水 1カップ
- しょうゆ 大さじ5
- 酒 大さじ5
- 砂糖 小さじ2
- さんまは頭と内臓を取る。水で洗い、水気をふき取り、2~3切れに切り分ける。
- ごぼうはたわしでこすって皮を落とす。斜め薄切りにして水にさらす。しょうがは薄く切って梅干は種を抜き細かくちぎる。
- 圧力なべに水、しょうゆ、酒、砂糖をいれ煮立たせる。煮立たせたらごぼうを入れてその上にさんまを並べて上からしょうがと梅干を散らす。
- 鍋にふたをして火にかける。蒸気が出てきたら弱火にし10分加圧する。
- 5分ほど蒸らした後、蒸気をちゃんと抜いてからふたを取る。煮汁をかけながら煮詰める。
子供向け:大根もち
小腹がすいた時のおやつとしてどうぞ。
■材料:2人分
- 大根おろし…大さじ4
- 片栗粉…大さじ2
- 焼き海苔…適量
- 純正醤油…適量
- 大根おろしと片栗粉を練り合わせる。よく練り合わしてください。
- 1を中火で熱したフライパンに落として焼く。スプーンなどですくってフライパンに落とし、丸く広げましょう。両面焼いてください。
- 焼けてきたら醤油をぬって、海苔をまいて出来上がり。
乳幼児向け:すりおろしたレンコンを入れるだけの簡単スープ
離乳食としてもおすすめです。もちろん大人の方にもおすすめの食べ方です。
レンコンは免疫機能の向上やアレルギー反応を抑える働き、肌を丈夫にする成分も豊富に含まれています。
レンコンをすりおろすだけの簡単料理を紹介します。
中華スープやお吸い物に、レンコンをすりおろして調味料を少し入れて煮るだけです。
身体がとても温まります。
まとめ
かつての日本人の食事は世界一バランスがいいといわれていました。
しかし食の欧米化や生活スタイルの変化により、野菜を食べる量が少なくなり、主菜もかつては大豆や魚が主でしたが今では肉が中心となっています。
それにより炭水化物・脂質・たんぱく質の三大栄養素の摂取量のバランスも崩れ、脂質の割合が多くなっています。
米の消費も減りインスタント食品や外食、ファストフードで手軽に食事を済ませることも多くなっています。
その結果、子供の生活習慣病なども増えていますが、トランス脂肪酸の摂取量の増加とアトピー性皮膚炎患者の増加に相関関係があることを指摘する専門家も多くいます。
そこでアトピーや花粉症などのアレルギー症状、かゆみや炎症を抑えるために食べ物や食べ方を見直したり、よく考えることが大事になります。
アレルギーの原因や症状には体質や個人差があるため、自分に合ったものを試していく必要はありますが、免疫機能を強化したり、アレルギー症状を抑えたり、皮膚の機能を丈夫にしたり助ける食べ物を取り入れてみることで、症状が改善することがあります。
「かゆみを抑える」というのは身体の免疫機能や解毒作用、消化や皮膚の機能を助けて健康な身体を作る、ということです。
本記事で紹介した食べ物を取ることも大事ですが、なによりバランスのいい食事をや規則正しい生活を心がけることが大切です。
規則正しい生活は自律神経を正常にし、免疫機能も向上します。
また、アトピーのかゆみを抑えるために良くない食べ物も記事には取り上げていますが、命に支障の出る食物アレルギーでなければ、神経質になってそれらを避けたりするよりも、情報として認識や理解はしつつ、自分にできる範囲で注意するバランス感覚が大事なように思います。
情報に振り回されたり、こだわったりするのではなく、自分の身体や症状をよく観察し、様子を見ながらなるべく身体や心のストレスを感じないような生活をしていくことが一番の健康につながります。
かつての日本食が優れている、といいますが、かつては栄養不足で多くの人が病気になったり、亡くなっていったために栄養状態の改善が課題となっていた時代もありました。
そういった過去を乗り越えて今があるのです。
もちろん現代は現代でいろんな課題があることは確かですが、だからと言って安易に過去の方がいい、と考えるのもいいことではないように思います。
時代の流れで当然見失われたり忘れられてしまったことを見直しつつ、自分がいま与えられた環境に感謝しつつ、自分の健康や人生について考えていくことが大事だと思います。
よろしければ参考にしてみてください。